【統計検定1級】統計応用・人文科学 2022年 問2【解答】

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解答

[1]

\(\boldsymbol{X}\)は2変量正規分布に従うので、\(Y=X_1+X_2\)も正規分布に従う。 両群で分散は共通であり、

\[ \operatorname{Var}(Y\,|\,G_g)=1+1+2\times 0.5=3 \qquad (g=1,2) \]

である。 期待値は\(G_1\)で\(1+1=2\)、\(G_2\)で\(-1-1=-2\)だから、

\[ Y\,|\,G_1\sim N(2,3),\qquad Y\,|\,G_2\sim N(-2,3) \]

となる。

[2]

分散共分散行列の逆行列は

\[ R^{-1} =\frac{4}{3} \begin{pmatrix} 1 & -\frac{1}{2} \\ -\frac{1}{2} & 1 \end{pmatrix} \]

である。 これをマハラノビス平方距離の定義へ代入すると、

\[ \begin{aligned} D_1^2 &=\frac{4}{3}\{(x_1-1)^2-(x_1-1)(x_2-1)+(x_2-1)^2\} \\ &=\frac{4}{3}(x_1^2+x_2^2-x_1x_2-x_1-x_2+1) \\ D_2^2 &=\frac{4}{3}\{(x_1+1)^2-(x_1+1)(x_2+1)+(x_2+1)^2\} \\ &=\frac{4}{3}(x_1^2+x_2^2-x_1x_2+x_1+x_2+1) \end{aligned} \]

を得る。 したがって、\(D_1^2=D_2^2\)となる条件は\(x_1+x_2=0\)である。

[3]

標準正規分布の分布関数を\(\Phi\)とする。 [1]の分布より、群ごとの誤判別確率は

\[ P(Y<0\,|\,G_1)=\Phi\left(-\frac{2}{\sqrt{3}}\right),\qquad P(Y\geq 0\,|\,G_2) =1-\Phi\left(\frac{2}{\sqrt{3}}\right) =\Phi\left(-\frac{2}{\sqrt{3}}\right) \]

である。 したがって、判別方式1全体の誤判別確率は

\[ \begin{aligned} Q &=\frac{2}{3}P(Y<0\,|\,G_1) +\frac{1}{3}P(Y\geq 0\,|\,G_2) \\ &=\left(\frac{2}{3}+\frac{1}{3}\right) \Phi\left(-\frac{2}{\sqrt{3}}\right) \\ &=\Phi\left(-\frac{2}{\sqrt{3}}\right) \approx 0.1241 \end{aligned} \]

となる。

[4]

\(G_1\), \(G_2\)の下での\(Y\)の確率密度関数を、それぞれ\(f_1(y)\), \(f_2(y)\)とする。 [1]より、

\[ f_1(y)=\frac{1}{\sqrt{6\pi}} \exp\left\{-\frac{(y-2)^2}{6}\right\},\qquad f_2(y)=\frac{1}{\sqrt{6\pi}} \exp\left\{-\frac{(y+2)^2}{6}\right\} \]

である。 閾値を\(c\)としたときの誤判別確率は

\[ \begin{aligned} Q^*(c) &=\frac{2}{3}P(Y<c\,|\,G_1) +\frac{1}{3}P(Y\geq c\,|\,G_2) \\ &=\frac{2}{3}\int_{-\infty}^{c}f_1(y)\,dy +\frac{1}{3}\int_{c}^{\infty}f_2(y)\,dy \end{aligned} \]

である。

これは、次の図で、\(c\)の左側にある\((2/3)f_1(y)\)の面積と、\(c\)の右側にある\((1/3)f_2(y)\)の面積の和に当たる。

事前確率を掛けた二つの確率密度関数と誤判別領域

図から、誤判別確率を最小にする境界は、事前確率を掛けた二つの確率密度関数\((2/3)f_1(y)\), \((1/3)f_2(y)\)の交点になることが分かる。 実際、\(Q^*(c)\)を\(c\)で微分すると、

\[ \frac{dQ^*(c)}{dc} =\frac{2}{3}f_1(c)-\frac{1}{3}f_2(c) \]

である。 したがって、交点の条件は

\[ \frac{2}{3}f_1(c)=\frac{1}{3}f_2(c) \]

である。 確率密度関数を代入すると、

\[ \begin{aligned} \frac{2f_1(c)}{f_2(c)} &=2\exp\left\{\frac{(c+2)^2-(c-2)^2}{6}\right\} \\ &=2e^{4c/3} \\ &=1 \end{aligned} \]

をみたす。 この比は\(c\)とともに増加するので、\(Q^{*\prime}(c)\)は交点で負から正へ変わり、誤判別確率はそこで最小となる。 よって、

\[ c=-\frac{3}{4}\log 2\approx -0.5199 \]

である。 この\(c\)を用いた最小誤判別確率は

\[ \begin{aligned} Q^* &=\frac{2}{3}\Phi\left(\frac{c-2}{\sqrt{3}}\right) +\frac{1}{3}\left\{1-\Phi\left(\frac{c+2}{\sqrt{3}}\right)\right\} \\ &\approx 0.1140 \end{aligned} \]

となる。